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義肢装具士の仕事はきつい?現場で感じるリアルな実情

「義肢装具士の仕事はきついですか?」という質問は、学生や進路を考えている人からよく聞かれます。 インターネット上では「やりがいがある」「大変」「ブラック」と、さまざまな情報が並び、 正直どれが本当なのか分かりにくいと感じる人も多いと思います。

この記事では、現役の義肢装具士として働く中で感じている 仕事のきつさと、続けている理由の両方を、 できるだけ現実に即してまとめます。

義肢装具士の仕事が「きつい」と言われる理由

まず結論から言うと、義肢装具士の仕事は楽ではありません。 ただし、その「きつさ」は体力面・精神面・環境面が混ざったものです。

身体的にきつい場面は確かにある

採型や仮合わせ、装具の調整では、中腰や不自然な姿勢が続くこともあります。 修正作業や加工では力仕事になることもあり、 慣れるまでは腰や手首に負担を感じやすいです。 特に繁忙期は、その分作成物も多くなり、体力的な疲れを感じる人も少なくありません。

また、取引先病院への出張が多く、移動距離が長い・拘束時間が長い点もこの業界ならではです。 朝から遠方の病院へ向かい、夜遅く帰社・帰宅する日もあります。 平均的に見ても、拘束時間はやや長めだと感じる人が多いでしょう。

責任の重さがプレッシャーになる

義肢装具は、人の身体に直接触れる医療用具です。 フィットや設定が合わなければ、疼痛や歩行障害につながることもあります。 「これで本当に大丈夫か」と悩みながら調整を重ねる場面は多く、 責任の重さが精神的な負担になることも事実です。

うまくいけば良い反応をもらえる一方で、 不適合な装具を作ってしまった場合には、リカバリーの手際や誠実な対応が強く求められます。

一方で、単純に「きついだけ」ではない仕事

ただし、義肢装具士の仕事を一言で「きつい」と片付けてしまうと、 実態とは少しズレてしまいます。 続けている人が一定数いるのには、理由があります。

患者さんの変化を直接感じられる

装具を装着した瞬間に表情が変わったり、 「歩きやすくなった」「楽になった」と言ってもらえる場面は、 この仕事ならではのやりがいです。 リハビリ職種や医師と連携しながら、 少しずつ状態が改善していく過程に関われるのは大きな魅力です。

正解が一つではないからこそ、経験が積み上がる

義肢装具の設計や調整には、明確な「唯一の正解」がないことがほとんどです。 同じ疾患名でも、身体状況や生活環境によって最適解は変わります。 経験を積むほど判断の引き出しが増え、 自分なりの考え方やスタイルが形になっていきます。

学生や新人が感じやすいギャップ

学校で学ぶ内容と、現場で求められることの間には、 どうしてもギャップがあります。 ここで戸惑う人は多いです。

最初は「自分は向いていないのでは」と感じることもありますが、 多くの場合、経験不足による不安が原因です。 周囲に相談しながら一つずつ経験を積むことで、 少しずつ仕事の見え方が変わってきます。

義肢装具士に向いている人の特徴

向き・不向きはありますが、「器用さ」だけで決まる仕事ではありません。

逆に、即結果を求めたい人や、 マニュアル通りの仕事が好きな人は、 ストレスを感じやすいかもしれません。

それでもこの仕事を続けている理由

正直に言えば、義肢装具士の仕事は楽な職業ではありません。 それでも続けているのは、 自分の関わった装具が、誰かの生活の一部として使われ続ける という実感があるからだと思います。

目立つ仕事ではありませんが、 人の「当たり前の動き」を支える仕事として、 静かなやりがいを感じられる職業です。

まとめ:義肢装具士の仕事は「きつさ」と「やりがい」が共存する

義肢装具士の仕事は、体力的にも精神的にも負担がゼロではありません。 ただし、それは責任と専門性の裏返しでもあります。 大変さだけで判断するのではなく、 どんな場面でやりがいを感じられるかを想像することが、 この仕事を選ぶ上で大切だと思います。

国家試験や学生生活について知りたい方は、 義肢装具士国家試験の勉強法 の記事も参考にしてみてください。

※本記事は、現役の義肢装具士が現場での経験をもとに執筆しています。
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